足長おじさん

2021年05月27日

「足長おじさんは読書感想文の課題図書だったなあ」
エンコー女子が何だかしみじみとしていた。
「でもさ、足長おじさんみたいな人になりたいなんて誰も思っていなかったよね、むしろお金もらう方に憧れていたと言うかさ」
まあ、そりゃそうだろうな、と思う。結局は、お金が余っていたら恵まれない子供たちに募金しましょう!と啓蒙しているような内容だものね、知らんけど。
「ジュディみたいにどこかに金くれるおっさんがいないかなーと考え続けて、今に至る」
と、エンコー女子はニマーとしながら身を摺り寄せてきた。足長おじさんに影響されて援助交際を始めたと作者が知ったら、死んでも死にきれまい。
小説の「あしながおじさん」は教科書にも載っているような名作ではある。しかし、出会い系での足長おじさんは僕のようにろくでもない人間だ。無償支援する代わりにやらせなさい、とはどう考えても善人ではない。
「そんなことないよ~。だって本家の足長おじさんも支援する代わりに私に手紙を書きなさいってのが条件だったじゃん。今なら支援と引き換えにツイッターでキミのエロくてピチピチな自撮り画像を送りなさいって言ってるのと一緒だよ、それって」
お金支援掲示板
一緒ではないと思う・・・が、決して無償ではなくてお金の代わりに何かを望むのは本家足長おじさんも出会い系の足長おじさんも一緒かもしれない。それこそ、カンボジアの恵まれない子供たちに募金する方がよっぽどの美談だ。
足長おじさんの善行に対して、エロいことをしている僕は引け目を感じていたが、そうやって考えてみると、おじさんがエロいかエロくないかだけの差に思える。まあ、その差が重要なことはもっともだけど、本質的には変わりないはずだ。自分の欲望のためにお金を使うことにより、恵まれないエンコー女子も救われるのだ。
よーし!おじさん、いっぱいエロいことしちゃうぞー!
「そうだよ~おじさん、私にいっぱい支援して!足短くても全然構わないから!」
足長おじさんの美談は、短足おじさんの僕が立派に今の世の中で引き継いでいます。
金づるの作り方
貢いでくれる人

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